しみ抜き例
掲載日:2012年05月09日 14:38 | カテゴリー:しみ抜き
連休明け、皆さんはどうお過ごしですか。
本調子に戻られましたか(^。^)
私は、連休中 カミさんや子供たちが カミさんの実家に帰省していたので
ゆったりと 充実した休日を過ごしていました(o ̄∇ ̄o)♪
そんな、連休明け
しみ抜きの例を一つ
しみ抜きの例でBefor&Afterは よくあると思いますが
今回は、一例として 簡単に工程をご紹介します
急ぎの仕事で、20〜30年以上は経つシミの依頼がありました
シミと言うより、柄の中が茶色に変色しています
業界用語で 『黄変(おうへん)』と言います
(クリックすると画像が大きくなります)
今回は、お客様のご指定場所で上衽の黄変抜きです
着用すると、上衽のため目立ちますもんねーY(>_<、)Y
まず、着物の種類や染料の種類などを見て
変色を抜くだけでなく どのように直すか
仕上がりまでのイメージを逆算しながら、様々な状況を考え仕事を進めていきます
適切な薬品を選び、黄変を漂白します↓
黄変の漂白と同時に、このように着物の地色や柄の彩色も
抜ける場合もあります↓
黄変部分以外抜けないよう
先に地色や柄に糊を置いて防染する場合もありますが
作業上 今回は防染はせず 後で 柄直しをする手順を選びました
できるだけ、黄変を抜き
胡粉と言う 白い粉の材料を塗り
周りの柄の白さと違和感がないよう
バランスを見ながら白い柄に復元します
それから、地色や柄の抜けた色を直しをします(染色補正作業)↓
最後に 葉の葉脈を描き直して↓
黄変抜きの仕上がりです
そして、お客様に
『ありがとうございましたm(_ _)m』
とお渡しすることになります。
古いシミの変色は、直るものもあれば、困難なものもあります。
新しいシミであれば、ほとんどのシミが取れます。
早めのお手入れを お客様に お願いしたいところです。